英語力よりも、グローバルチームを動かす力
海外チームとの協働を成功させる3つの実践力
英語で会議に参加できる。海外の同僚と問題なくコミュニケーションが取れる。プレゼンテーションもできる。
それでも、海外チームとの仕事が思うように進まないことがあります。
例えば、次のような経験はないでしょうか。
- 会議では合意したはずなのに、次のアクションが進まない。
- 海外本社と日本法人で、優先順位がかみ合わない。
- 自分の意見は伝えたのに、相手の意思決定につながらない。
- 複数の国や部門が関わるプロジェクトで、責任の所在が曖昧になる。
こうした問題は、必ずしも英語力の不足によって起きるわけではありません。
必要なのは、英語を使って人と協働し、意思決定を促し、仕事を前に進める力です。
今回は、グローバル環境で成果を生み出すための3つの実践力を紹介します。
1. Clear Thinking|議論を意思決定につなげる力
グローバル環境では、異なる国や部門の人々が、それぞれの立場から意見を述べます。
海外本社は標準化や効率性を重視する一方、日本法人は顧客対応や現場の実行可能性を重視することがあります。
どちらが正しいかを議論するだけでは、プロジェクトは前に進みません。
重要なのは、問題を整理し、何を決める必要があるのかを明確にすることです。
例えば、グローバルERPの導入で、日本側が独自の業務プロセスを必要としている場合。
単に、
“We need a different process in Japan.”
と伝えるだけでは、相手はその必要性を判断しにくいかもしれません。
代わりに、次の4点を整理して説明します。
| 項目 | 確認する内容 |
| Situation | 現在、何が起きているか |
| Impact | 顧客や業務にどんな影響があるか |
| Options | どんな対応方法があるか |
| Decision | 何を決めてほしいか |
英語を流暢に話すこと以上に、相手が判断できる情報を提供することが重要です。
Clear Thinkingとは、複雑な状況を整理し、意思決定を前に進める力です。
2. Global Communication|異なる立場の人と合意をつくる力
グローバルコミュニケーションは、英語を正確に話すことだけではありません。
相手が何を重視しているのかを理解し、異なる期待や利害を調整することが求められます。
例えば、日本側は品質上の懸念から導入延期を希望している一方、海外本社は予定どおりの導入を求めているとします。
このとき、
“We cannot meet the deadline.”
と伝えるだけでは、単なる反対意見として受け取られるかもしれません。
そこで、次のように伝えます。
“I understand the importance of the global timeline. Could we explore an approach that addresses the operational risks in Japan while keeping the overall project on track?”
「グローバルのスケジュールが重要であることは理解しています。プロジェクト全体の進行を維持しながら、日本側の業務リスクにも対応できる方法を検討できませんか?」
ここで重要なのは、相手に迎合することではありません。
相手の目的を理解しながら、自分たちの課題を建設的に伝えることです。
また、異文化コミュニケーションでは、国籍によって相手の考え方を決めつけないことも重要です。
同じ国のメンバーでも、職務、経験、組織文化によって意思決定のスタイルは異なります。
Global Communicationとは、異なる視点を理解し、共通の目的に向けて合意をつくる力です。
3. Leadership in Action|合意を実行に変える力
会議で全員が賛成しても、それだけでは仕事は進みません。
特に、複数の国や部門が関わるプロジェクトでは、会議後の行動を明確にすることが不可欠です。
例えば、会議の最後に次のように確認します。
“Before we close, can we confirm the decisions, action owners, and deadlines?”
「会議を終える前に、決定事項、担当者、期限を確認できますか?」
さらに、次の3点を明確にします。
- Ownership: 誰が責任を持つのか
- Commitment: 何をいつまでに完了するのか
- Follow-through: どのように進捗と完了を確認するのか
例えば、「日本チームが確認する」ではなく、「日本側の担当者が金曜日までに顧客影響を確認し、結果をプロジェクトチームへ共有する」と定義します。
こうすることで、会議での合意を具体的な行動につなげやすくなります。
リーダーシップは、必ずしも役職や権限によって決まるものではありません。
Leadership in Actionとは、関係者の認識をそろえ、次の行動を生み出す力です。
明日から実践できる3つの質問
次の海外チームとの会議では、以下の質問を意識してみてください。
1. What decision do we need to make today?
今日、何を決める必要があるのか?
2. Are we aligned on the priorities and expectations?
優先順位と期待について、認識がそろっているか?
3. Who will do what by when?
誰が、何を、いつまでに行うのか?
これらの質問は、英語としては決して難しくありません。
しかし、適切なタイミングで使うことで、会議を単なる情報交換から、意思決定と実行の場へ変える助けになります。
英語を学ぶことから、英語で成果を生み出すことへ
ビジネス英語を学ぶことには大きな価値があります。
しかし、グローバル環境で成果を出すためには、その先の能力も必要です。
自分の考えを整理する。異なる立場の人と合意をつくる。そして、決定事項を具体的な行動につなげる。
この3つの力は、語学学習だけでなく、実際のビジネス課題を題材とした対話や実践を通じて磨くことができます。
Cypher Academyでは、英語での会話そのものを目的とするのではなく、英語を使って仕事を前に進める力を育てることを重視しています。
海外チームとの協働、グローバル会議での合意形成、プロジェクト推進、リーダーシップなど、実務に近いテーマを扱います。
Beyond Business English.
英語が話せる。その先へ。
Think Clearly. Communicate Confidently. Lead Globally.


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