グローバル企業の日本法人では、本社の方針と日本の現場の事情を両立させる必要があります。
ところが、日々の業務では「何となくやりにくい」「調整に時間がかかる」という違和感が、明確な課題として扱われないことがあります。
改善の出発点は、いきなり新しいシステムや施策を提案することではありません。
「グローバルとローカルの間で、今、何に困っていますか?」と聞くことです。
困りごとは、どこに現れるのか
例えば、次のような状況はないでしょうか。
- システム: グローバルERPの標準機能だけでは日本の受注・請求業務が完結せず、Excelや手作業が残っている。
- プロセス: 例外処理の承認先が分からず、納期回答や顧客対応が遅れる。
- 人と組織: 本社・日本法人・外部パートナーの役割が曖昧で、問題が発生するたびに調整が必要になる。
- 情報: 本社と日本で同じKPIを見ていても、定義や更新タイミングが異なる。
- 改善活動: トラブルには対応できても、原因が記録・共有されず、似た問題が繰り返される。
これらは想定例であり、すべての企業に当てはまるわけではありません。
ただし、単発の不具合ではなく、業務の進め方そのものを見直すきっかけになります。
最初に聞きたい5つの問い
1. 今、最も時間を取られている調整は何ですか?
頻度が高い仕事だけでなく、判断待ちや差し戻しも含めて確認します。
2. グローバル標準と日本の実務が合わないのは、どの場面ですか?
本当に必要なローカル要件と、慣習として残っている作業を区別します。
3. 問題が起きたとき、誰が決めることになっていますか?
担当者だけでなく、最終的な意思決定者と判断基準を明らかにします。
4. 同じ問題は、過去にも起きていますか?
応急処置で終わっているのか、再発を防ぐ仕組みがあるのかを確かめます。
5. 90日後に何が変われば、改善したと言えますか?
解決すべき課題を一つに絞り、測定可能な変化を定義します。
「GlobalかJapanか」ではなく、実行できる答えをつくる
本社の標準化には、統制・可視化・効率化という目的があります。
一方、日本法人には顧客対応や法令・商習慣への適合という責任があります。
どちらか一方が正しいと決めつけても、現場の課題は解消しません。
重要なのは、事実を整理し、標準をそのまま採用するのか、日本向けに調整するのか、例外を認めるのか、本社側の変更を提案するのかを判断できる状態にすることです。
例えば、納期回答に時間がかかっているなら、まず受注から回答までの流れを可視化し、どこで情報・判断が止まるのかを確認します。
システム改修が必要なのか、責任分担や運用ルールの見直しで改善できるのかは、その後に判断します。
小さな診断から、実行につなげる
Cypher for Businessでは、こうした課題をPeople・Process・Systemの観点から整理し、実行につながる優先順位を明確にすることを重視しています。
Cypher Operational Diagnosticは、約2週間で一つの優先課題に焦点を当て、関係者へのヒアリングと現状整理を通じて、Decision Briefと90-Day Action Planをまとめるサービスです。
最初から大きな変革計画をつくる必要はありません。
まずは、現場で繰り返されている困りごとを一つ、具体的な言葉にすることから始めてみませんか。
グローバルと日本の間で、今、何に困っていますか?


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